突然ですがあなたは周囲から「変わってる」「空気が読めない」「常識がない」
などと言われた事はありませんか?
そんな方はひょっとしたらアスペルガー症候群かもしれません。
アスペルガー症候群は、近年、大人に急増していると言われている
知的障害のない自閉症(発達障害)の一つです。
アスペルガー症候群は先天性の障害の為、
本人自身に「自分は変わり者」という自覚はあっても
アスペルガー症候群について知らなければ、病気という自覚はありません。
その為、適切な対処が遅れる事で、本人に強いストレスがかかり、
うつ病や不安障害、強迫性障害などの2次障害を引き起こす恐れがあります。
2次障害を防止する為には、本人だけではなく、
家族や周囲の人のアスペルガー症候群の正しい対処が大切になっていきます。
それにはまずアルペルガー症候群について、理解しておくことが重要です。
そこで今回は、大人のアスペルガー症候群についてご紹介します。
アスペルガー症候群の特徴とは
アスペルガー症候群は、「軽度自閉症」と言われる程、
自閉症と同じように以下の3つの能力に支障がみられるのが特徴です。
1~3の全てに該当はしないが
1つか2つは該当する場合の自閉症がアスペルガー症候群となります。
- 社会性の欠如
- コミュニケーション能力の欠如
- 想像力の欠如
1の場合・・・上司に対して、「いつ辞めるの?」など礼儀をわきまえない、
敬語が使えないなど失礼な言動・行動を取ります。
2の場合・・・人が泣いているときに笑うなど人の感情を汲み取れません。
他人に共感出来ない為、人の意見を聞きません。
3の場合・・・決めた事を頑なに守る為、
予定外の事が許せず酷く混乱することがあります。
反復性の行動を好む為、興味や関心が偏っています。
性別での発症率
女性の5~10倍と言われる程、
男性の発症率が高いのが大人のアスペルガー症候群の特徴の一つです。
特殊な才能の可能性
ずば抜けた集中力・記憶力があり、
またこだわりの強さが関心事の追求に示されると素晴らしい才能を開花させる可能性を秘めています。
アスペルガー症候群の重度とは
あるアスペルガー症候群の重度とは、重度の自閉症となります。
自閉症は、知能指数(IQ)を境に以下の2つに分かれています。
- 知的障害を伴う自閉症
- 知的障害を伴わない自閉症(高機能自閉症)
軽度の自閉症であるアルペルガー症候群は、
2の知的障害を伴わない自閉症(高機能自閉症)に該当します。
しかし、アスペルガー症候群と高機能自閉症の境界線は明確ではない為、
光の虹色に例えて2つを総称し、「自閉症スペクトラム」と呼ばれるようになりました。
アスペルガー症候群の診断とは
アスペルガー症候群の診断は、「発達障害外来」
「アスペルガー症候群外来」がある大学病院、総合病院がベストです。
しかし、それ程、多くないのが現状です。
また、「発達障害外来」「アスペルガー症候群外来」があっても、
成人は対象外となっている場合がありますので、
大学病院、総合病院の一般の精神科でも良いかと思います。
ですがうつ病と誤診されることも多くありますので、
事前に電話で大人のアスペルガー症候群の受診が出来るかどうかを確認すると良いでしょう。
もう一つの対処法として、
オススメなのは発達障害者支援センターに相談することです。
大人のアスペルガーについて、適切な対応をしてくれることが多いですので、
病院がすぐに見つからないと言う場合は、こちらへ相談してみてください。
アスペルガー症候群の治療とは
アスペルガー症候群は、先天性の発達障害で脳の形成過程で、
発達が阻害され正常な発達がされなかったことが原因です。
脳のどの部分に問題が生じたのかが分かっていない為、
残念ながら現在のところ、アスペルガー症候群の治療方法は未だ解明されていません。
また、アスペルガー症候群を治す特効薬もありませんので、
あくまでも症状を抑える対処療法となります。
それでも2次障害が発症して、慢性化・長期化してしまうことを防ぐ為には、
投薬による治療は必要となるでしょう。
ストレス、不眠などの症状を緩和する目的として、以下の投薬治療を行います。
- 向精神薬
- 精神安定剤
- 睡眠薬
まとめ
アルペルガー症候群は、医師でも診断するのが非常に困難な病気です。
特にアルペルガー症候群の症状が2次障害であるうつ病、
または不安障害、強迫性障害などを併発している場合、
それらに対する診療だけで終わる可能性がありますので、
いくらそれらが改善されたとしても肝心のアスペルガー症候群は、
解消しませんので、2次障害の再発が懸念されます。
また、根本的な治療法はないのが現実です。
つまり、アスペルガー症候群は、治る事はないと言えます。
しかし、本人や家族、周囲の人がアスペルガー症候群について、
理解しそしてゆっくりと時間をかけて、
アスペルガー症候群と向き合うことで、症状が改善する場合があります。
そして、ひょっとすれば、何か秀でた才能を開花させることが出来るようになるかもしれませんね。
悪いことばかりではないアスペルガー症候群ですが、
やはり難しい病気ですよね。
書籍など一つの情報にしぼって、向き合ってみてくださいね。