病原性大腸菌というと、耳慣れない方が多いかと思われますが、
o157病原性大腸菌と言うと、おわかり頂けるかと思います。
o157が流行したのは10年以上前の話になりますが、
その感染力と毒性で、日本国民を震え上がらせました。
10年以上前の話だからといって、今の時期にも、流行する可能性はゼロじゃないです。
感染した場合、整腸剤は効くのか?
といった治療法や、感染を防ぐための予防方法を学びましょう。
o157病原性大腸菌とは
大腸菌は、人の腸内にも多く存在している細菌。
本来は病気を起こすことは無いのですが、
病原性が強く、下痢、腹痛等の原因となるものがあり、これが、病原性大腸菌と呼ばれています。
病原性大腸菌の中でも最も代表的なものが、o157病原性大腸菌です。
ベロ毒素と呼ばれる協力な毒素を作り、主な感染経路は、経口感染です。
o157病原性大腸菌は、感染力が非常に強く、重症化しやすいので要注意です。
o157病原性大腸菌食中毒の症状
o157病原性大腸菌食中毒は、菌が体内に侵入してから3〜9日後に症状が現れます。
発熱はすることがっても一過性で、高熱になることは少ないです。
他の食中毒の時と同様に、最初は下痢や腹痛等の症状が現れます。
この時点では、o157病原性大腸に感染したとはなかなか気付けませんが、
その後、血便を伴う下痢の症状が現れたら、感染を疑い直ぐに病院へ。
血便を伴う下痢の症状は、o157病原性大腸菌特有の症状です。
この出血性下痢の原因となるのが、ベロ毒素。
腸の粘膜、赤血球、血小板を破壊しながら全身を回り、血便となって排出されるのです。
治療方法は?
o157病原性大腸菌食中毒の主な症状は血便を伴う下痢なので、
治療は、下痢に対するものが主になります。
o157の殺菌作用があるという報告もあります。
ただし、整腸剤は対症療法なので、根本的な下痢の治療にはなりません。
血便の症状を確認したら、お近くの病院へ受診して、医師の適切な判断を仰ぎましょう。
治療方法としては、菌を排除するための抗生剤を処方されたり、
体力の低下が見られる場合は、点滴を施されることもあります。
下痢止め薬は、腸の動きを止めてしまう作用があり、
腸内で菌を大量発生させ、悪化させる恐れがあるので使用されません。
重篤化していなければ、およそ一週間程で完治することが多いです。
流行する時期とは
o157というと・・・
というか今更なんだね。いつだったかユッケでO157だかが流行して大変なことになってたと思うんだけど
— 魚咢 (@speer_kong_) June 11, 2015
若い子は知らんでしょうが二十年くらい前まではそこらへんのスーパーの生鮮売場にレバ刺しって置いてあったんですよ。O157という病原菌が流行したときに駆逐されてしまったけど。
— 偽教授 (@TanTanKyuKyu) June 9, 2015
大阪は昔O157が流行したから食中毒に神経質なんよ
— ゆいさん (@iki_iki_yui) January 19, 2015
昔流行した食中毒というイメージが強く持たれていますが、
o157病原性大腸菌は、気温が高く水分の多い時期を好んで繁殖するため、
主に春から秋にかけて発生しやすいと言われています。
季節の他にも、菌が繁殖しやすい環境になってしまう重要なポイントがふたつ。
ひとつめは、夏バテや疲労などにより体力が低下していること。
ふたつめは、高温多湿で、体力を消耗しやすくなっていること。
夏特有の環境で体力が落ち、食料も腐りやすく、菌が増殖するにはうってつけです。
このため、最も流行しやすいのは夏場でしょう。
対処・予防方法は
病原性大腸菌は、ご家庭での食事でも発生するため、
調理の際は、十分に気をつける必要があります。
- 調理を開始する前に、石鹸で丁寧に手洗い。
- 加熱調理の際は、内部まで十分に熱が通るように。
- 菌の特に繁殖しやすい夏場は、生ものの摂取を控える。
- 食品を温め直す時は、加熱を十分に。
- 時間が経ち過ぎた場合等、少しでも怪しい食品は迷わず捨てる。
- まな板、包丁は、こまめに熱湯消毒。
- 食器を拭いた後のふきんは、洗剤等でよく洗う。
- トイレは常に清潔に。用便後、トイレ掃除後は流水でしっかり流す。
上記の点が、主な予防策。
夏場は特に、調理環境を清潔に保つように心がけましょう。
まとめ
o157の一番の特徴は、血便を伴う下痢。
この症状が見られたら、すぐさま病院へ行き、治療を受けると良いでしょう。
安易な自己判断で、下痢止め薬を使ってしまうと症状を悪化させる恐れもあるので、ご注意を。
怪しいな、と思ったら医師の診察を受けるのが一番です。
調理環境を清潔に保つ、怪しい食材は口にしない、
といった予防策に気をつけて、病原性大腸菌を寄せ付けないようにしましょう。
清潔感ある生活を心がけていれば、o157なんて怖くありません!