麻疹は子供の病気ではない!
麻疹(はしか)といえば幼いころに予防接種などがあったあの病気…ですが、
これはなにも小さな子供だけがなる病気ではないんです。
最近ではむしろ大人の間で流行しているってご存知ですか。
小さい頃にワクチン接種したから大丈夫だ、と思っているあなたは要注意!
今回はそんな成人の麻疹について説明します。
成人の麻疹について
麻疹の流行り
かつてはあまりみられなかった成人の麻疹ですが、
最近は、特に春になると全国各地で麻疹が流行しています。
これはどの地域でも幼児や小学生だけではなく、
中高生や大学生などの青年層、そして社会人など成人層でも流行しているのが特徴です。
20歳以上で発症するものは「成人麻疹」と呼ばれています。
麻疹は人を介して感染しますので、大都市などでは特に
麻疹の感染するスピードが速く、患者が急増しています。
なんとあるデータによると、子供(0歳~15歳)までの発症割合は約20%です。
つまり、約80%は大人が発症しています。
これはもう大人の病気と言えるかもしれません。
大人の間で麻疹が流行るワケ
大人の間で麻疹が流行る大きな原因は主に3つが考えられます。
まず1つ目は、免疫力の低下です。
昔に比べて、私たちは皆しっかりと予防接種を受けるようになり、
各種感染症は起こらなくなりました。
そうして守られた私たちの身体は、逆にウイルスに接する機会が減り、
免疫力が低下してしまっているのです。
次に考えられるのはワクチンそのものも効力です。
ワクチンは時が経つにつれて少しずつ効力が落ちていき、
その効果はおよそ10年ほどと考えられています。
つまり、成人になった頃には
子供の時に接種したワクチンの効力が切れていて、
麻疹にかかってしまうというわけです。
最後に、実は麻疹のワクチンを
子供のころに接種していない人が結構いることが原因です。
幼い頃のワクチン接種の機会に、体調不良や副作用に対する
不安などの理由で受けることができずに、そのまま何となく受けないまま
今に至ってしまった、という人がその後、麻疹にかかってしまうことがあります。
大人の麻疹の症状は
基本的には子供と一緒
大人の麻疹も、子供の麻疹と同様の症状が見られます。
発症すると38~39℃の発熱が1週間ほど続き、
頬の裏側に白い小さな斑点がたくさん見られるようになります。
その後、口の中の痛みが増し、ものが食べづらくなります。
同時にはげしい咳も出ますので喉を傷めてしまいがちです。
また、鼻水の症状も起きます。
そして、かゆみを伴う発疹が、
顔や首筋から次第に腕や胸部、足などに広がっていきます。
発疹はあまり強くはないものの、かゆみを伴うこともあるので
無意識のうちにかきむしってしまわないように注意しましょう。
この後数日で発疹はおさまり、
茶褐色のシミになりますが、それは1~2週間で消えます。
大人の場合は重症化しやすいことも
大人の場合は子供よりも重症化することが多く上記の症状のほか、
肺炎や肝機能障害を引き起こして、1週間近くもの入院が必要になったりすることもあります。
大人の場合は病状によって
子供以上に麻疹にかかる日数が多いこともあります。
また、子供の場合と違って、
大人には「まさか麻疹なんて」という気持ちがありますので、
適切な診断がされにくいことがあり、ただの風邪や、
アレルギーの発疹などといった違った診断になり処置が遅れることがあります。
まとめ
子どもがかかる病気だと思っていた麻疹が、
まさか大人の方が発症するケースが多いこと、
そして大人の方が重症化しやすいことがわかり、驚いたかもしれません。
ただ、これはあくまでワクチンの効力切れによるものや
未接種からくるものが殆どですので、ワクチン未接種や、
子供のころに接種して以来受けていない場合は早めに病院に行き、
検査をしてもらって適切な処置を行うようにしましょう。
麻疹にかかったときに冷静に対処できるように
麻疹について基本的な知識を身につけておくと心強いかもしれませんね。
一度読んで、もしもの時に備えておきましょう。