乳幼児に多い病気、ヘルパンギーナ。
夏に引きやすいことから、夏風邪とも言われますね。
この症状は、発熱や水泡などが一般的です。
ですが、合併症で気管支炎も起こること、ご存知でしたか?
今回は、ヘルパンギーナの合併症として起こる気管支炎について、ご説明します。
ヘルパンギーナの代表的な症状
まず、気管支炎の前に、ヘルパンギーナについて、おさらいをしましょう。
ヘルパンギーナは、コクサッキーウィルスを始めとする、
複数のウィルスによって引き起こされる病気です。
乳児~幼児にかかりやすく、大人になるとほとんど感染しません。
その症状は、高熱や口内の水疱が代表的です。
また、喉の炎症や倦怠感、節々の痛みなども起こります。
特に、口内の水疱が潰れた後は、
あらゆる食品や飲み物がしみてしまうため、
通常の食事が困難になることがあり、まともな食事を摂れないせいで、
身体が弱って合併症を引き起こしてしまう場合があるようです。
通常は、高熱は2~4日ほどで下がり、7~10日ほどかけて完治しますが、
ここで気を付けたいのが、合併症のこと。
ヘルパンギーナの合併症としては、無菌性髄膜炎や
旧姓心筋炎を引き起こすことがあります。
また、ヘルパンギーナのウィルスから今回の主題である
ウィルス性気管支炎が発症するケースも、ごく稀ではありますが存在するようです。
ヘルパンギーナをこじらせてかかる気管支炎に要注意!
気管支炎の原因にはいくつかあり、ウィルス性や細菌性、
アレルギー性など、様々なものが原因となります。
今回お話しするウィルス性気管支炎は、ヘルパンギーナによって身体が弱り、
本来は異物が入り込めないようになっている気管支にウィルスが入って感染することにより起こります。
もちろん、ヘルパンギーナのウィルス以外でも起こりますし、
むしろ、そのケースの方が多いため、
ヘルパンギーナから気管支炎が起こることを、
常に一緒にいる大人でも見逃してしまうこともあります。
症状としては、まず、ヘルパンギーナ自体の高熱が下がった後なのに、
37.5℃程度の微熱が出ます。
そして、喉に痰が絡んでゼイゼイ、ゴロゴロ言うようになります。
そして、痰を出すための湿った咳が出ます。
ヘルパンギーナが治りかけたと思ったのに、咳が出たり、
ゼイゼイ言う胸の音がするようになったら、気管支炎を疑ってみましょう。
もし気管支炎になってしまったら
もし、気管支炎になってしまったら、まずは病院へ行きましょう。
風邪をこじらせると、気管支炎だけではなく肺炎になることもあるからです。
肺炎は、重症化すると命に係る病気ですから、早急に処置する必要があります。
気管支炎だけの状態で済んでも、ひどい咳などが出るため、
子供にとってはつらい症状のはずですから、ちゃんと病院で処置してもらいましょう。
処置としては対症療法となり、去痰薬を飲んで痰が出やすくしたり、
気管支拡張剤で呼吸をスムーズにする処置がとられます。
また、細菌による二次感染を防ぐために、
予防的に抗生物質が投与されることもあります。
口当たりの良いものを食べ、水分をたっぷり摂って、安静にするようにして下さい。
普通のゼリーでもいいですが、介護などで使われる
栄養成分の豊富なものを選ぶと、より良いですよ。
まとめ
ヘルパンギーナのおさらいと、そのウィルスによって
起こる気管支炎についてご説明しました。
気管支炎や肺炎は、風邪をこじらせて発症するケースが多い病気です。
そして、ヘルパンギーナは「夏風邪」という異名を持つ病気ですから、
そこから気管支炎が起こっても、何も不思議なことではありません。
しかし、ながら、ウィルス性気管支炎の原因ウィルスとして挙げられるのは、
アデノウィルスやRSウィルス、そしてインフルエンザウィルスなど、
ヘルパンギーナとは無関係のウィルスばかりで、
ヘルパンギーナの原因ウィルスであるコクサッキーウィルスなどでも
気管支炎が起こる可能性があることを見落としがちになります。
もしも、ヘルパンギーナ発症後に、お子さんの呼吸が苦しそうだったら、
気管支炎の可能性があることを忘れないであげて下さい。