長引く咳と発熱が特徴のマイコプラズマ肺炎。
この症状は風邪とよく似ていますが、違いはどんなところにあるのでしょうか。
また、この病気に関しては「熱を下げると良くない」という説もあるようです。
今回は、マイコプラズマ肺炎についてと、抗生物質の一つ「メイアクト」という薬についてお話しします。
マイコプラズマ肺炎の熱の特徴
↑のように、過去10年間で最多のマイコプラズマ肺炎患者数が出たそうです。
マイコプラズマ肺炎の主な症状と言えば、
数週間も続く咳、37℃~39℃にもなる熱、喉の痛みなどがありますね。
これだけ見ると風邪とマイコプラズマ肺炎は
あまり違いが無いように思えますが、風邪との違いは熱の出方にあります。
マイコプラズマの病原体に感染すると、
2~3週間ほどの長い潜伏期間を経て、まずは発熱が始まります。
これが長引くため、「風邪かな?」などと思っているうちに後から湿った咳や呼吸困難などが追いかけて来るのです。
また、マイコプラズマ肺炎の熱はしつこいことで有名で、
一度熱が出た後も、一度下がったと思ったらまた上がることがありますので油断はできません。
そして、最近では呼吸器症状が無く、発熱だけ続くというケースもあるようなので、
自分がマイコプラズマ肺炎と気付かずに過ごしている人もいるかもしれません。
どこで感染するかわからないということですから、今年は特に予防が必要ですね。
薬などで熱を下げてもいいの?
感染症による発熱は、身体が病原体と戦っている証のため、
下げない方が良いという説がありますが、マイコプラズマ肺炎の場合はどうなのでしょうか。
これは、何が正しいとは言い切れない部分があります。
一般的にはマイコプラズマ肺炎は37℃台の発熱で済むこともあるため、
これくらいなら無理に薬で下げる必要は無いと考えられます。
でも、38℃以上が続いていたりなど、明らかに患者の体力を奪うような発熱がある場合は、
身体を守るために解熱剤を使って熱を下げた方が良いようです。
この辺りはお医者さんの判断にゆだねるべきものとなりますので、
本人がつらいと感じるほどの発熱があったら、市販の解熱鎮痛剤に手を伸ばす前に、
病院に相談して解熱剤を出してもらった方が良いでしょう。
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メイアクトとはどんな薬?
抗生物質の一つとして知られる「メイアクト」というお薬。
セフェム系の抗生物質で、中耳炎、副鼻腔炎、咽頭炎などなど細菌による様々な炎症に対して出されます。
しかも、副作用が少ないため、子供にも処方しやすい薬に分類されます。
このメイアクト、マイコプラズマ肺炎の時にも処方されることがあるようです。
ですが、結論から言うとこれはマイコプラズマそのものには効かない薬に分類されます。
では、なぜ処方されるのかと言うと、
マイコプラズマ肺炎によって弱った身体が他の細菌に二次感染してしまうのを防ぐために出されるのだそうです。
また、炎症を抑えることにより熱が下がることがありますが、
解熱目的というよりは細菌を根本的に退治するために処方されることが多いようです。
ですから、メイアクトを飲み始めてから熱が下がったからと、飲むのを途中でやめてしまってはいけません。
抗生物質は、処方された量を全て飲み切って初めて効果が出るように量が調節されているので、
自己判断で服用を止めては効果を得られないどころか、体内で薬に強い耐性菌を作り出すことになりかねないからです。
マイコプラズマ肺炎を予防するためには
さて、今年大流行のマイコプラズマ肺炎から身を守るためにすべきことは何でしょうか。
マイコプラズマ肺炎は風邪と感染経路が同じですから「マスク・うがい・手洗い」の三種の神器は欠かせません。
そして、アルコール消毒もよく効く病原体のため、
外出後のアルコール消毒なども取り入れるとより一層予防効果が高くなります。
マイコプラズマはそれほど感染力が強い病気ではありませんが、
潜伏期間が長いため、感染者が知らずに病原体をばら撒いていることが多いです。
ですから、身近でマイコプラズマ肺炎患者が出たら、
2~3週間は無理せず、いつ休んでも良いように準備しておくことをおすすめします。
冬休みにたくさん移動する機会がある人や、遊びに出る予定がたくさん詰まっている人は、
マイコプラズマ肺炎予防を厳重にすることを忘れないで下さいね。