子供の頃にかかる病気として有名なおたふく風邪
一度かかると二度とかからないため、大人になると無縁になりがちですよね。

症状としては、頬が腫れるくらいの印象しかありませんが、
実はこの病気、重い合併症を引き起こす危険性もあるのです。

今回は、おたふく風邪についてのおさらいと、危険な合併症についてお伝えします。

おたふく風邪のおさらい

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耳の下から頬にかけて腫れ、熱が出るおたふく風邪
正式名称は「流行性耳下腺炎」と言い、
ムンプスウイルスという病原体に感染することで発症する病気です。

ムンプスウイルスに感染すると、2〜3週間という長めの潜伏期間を経たのち、
発熱や悪寒、頭痛などの風邪に似た症状が出始めます。
この初期症状の後に、おたふく風邪特有の腫れや痛みが出始めますが、
発症からはおおよそ7〜10日ほどで完治し、登校・登園許可が出るようになります。

ただ、おたふく風邪に罹った人の3割は、
頬の腫れなどが見られないまま完治してしまうそうです。
そのせいで学校や幼稚園を休むに至らず、
知らずにウイルスをばら撒いてしまうことがあるのだとか。

感染力が強くないウイルスにも関わらず大流行してしまうのには、こんな理由もあるのでしょう。

おたふく風邪にはどんな合併症がある?

おたふく風邪は、上でお話しした通りの期間で完治してしまうケースが大半ですが、
合併症を引き起こすことがあります。

例えば、頭痛や発熱、嘔吐が見られるウイルス性髄膜炎
名前だけ聞くと怖い病気のようですが、
色々な原因から起こる髄膜炎の中では軽めのもののため、安静を守れば2週間ほどで完治します。

実はおたふく風邪患者の半数が髄膜炎を起こしているとも言われ、
そのほとんどが髄膜炎に気付かずに治癒しているのだそうです。
「あれ?おたふく風邪が長引いている?」と思ったら髄膜炎を起こしていた、というケースは珍しくありません。

しかし、この髄膜炎が悪化すると、
脳にまで炎症が広がり、脳炎になることがあります。
脳炎になると、強い痙攣や意識障害が出ますが、
やはり脳炎の中では予後は良好な方なので、
過剰に心配するほどではありませんが、一度病院で診てもらった方が安心ですね。

また、おたふく風邪によって神経性の難聴が起こる場合もあります。
これもほとんどが腫れが引くとともにおさまりますが、
稀におたふく風邪完治後も難聴だけ残ることもあるので、
様子がおかしければすぐに耳鼻科に行きましょう。

他にも、睾丸炎卵巣炎
膵炎などがおたふく風邪の合併症として知られています。

有効な治療法は?

現在の医療では、おたふく風邪を完治させる有効な治療法はありません。
患者の自然治癒力で、ウイルスを撃退するのを待つしかないのです。
痛みがひどい場合は、対症療法として解熱鎮痛剤が処方されますが、
これを服用しない方が完治が早いとも言われています。

また、おたふく風邪に効くホメオパシーなどがたまに宣伝されていますが、
上記のようにおたふく風邪は自然治癒を待つしかない病気のため、
ホメオパシーの効果で治りが早まるとは考えにくいです。

逆に、「ホメオパシーをやっているから大丈夫」と安易に考えてウイルスを撒き散らす方が危険です。

また、おたふく風邪にはワクチンもあります。
1歳から接種でき、一回目から数年空けて二回受けるのが基本とされています。

ただ、こちらは任意接種のため自己負担が大きく、
他のワクチンよりも接種率が低いそうです。

金額は一回5000円〜7000円程度で安くなく、
接種後3〜4年で抗体が切れるとも言われていますが、
ワクチン接種済みの人はおたふく風邪にかかっても軽症で済むことが多いようです。


おたふく風邪に感染しないように、
気持ち程度の予防にしかなりませんが、
日頃からウイルスから身体を守ることを心がけましょう。
最低でも手洗いうがいは怠らず、消毒も加えるとより良いですね。

まとめ

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いかがでしたでしょうか。
おたふく風邪のおさらいや、かかった後の対処法などについてご説明しました。

ここでは髄膜炎や脳炎などの合併症を中心にお話ししましたが、
その他の合併症である睾丸炎などにかかると、
将来的に男性不妊の原因になる可能性もあるからです。
また、子供のうちから難聴が残ってしまうと、その後の発育にも不安が生じますよね。

これらの恐ろしい後遺症を避けるためには、予防接種をすることが勧められています。
決して費用はお安くありませんし、終生免疫が得られるわけではありませんが、
その後におたふく風邪にかかっても、
症状が重くならないという大きなメリットがあります。

小さなお子さんをお持ちの方は、
一度おたふく風邪のワクチン接種について考えてみて下さいね。