髄膜炎は髄膜が炎症を起こす疾患です。
その症状は発熱や嘔吐、頭痛など多岐にわたります。
炎症を起こす原因となるのはウイルスや細菌、がんなどです。
自覚症状の他にも項部硬直などの他覚症状が表れるのが特徴の髄膜炎。
髄膜炎を疑うべきサインとは?
また、フロモックス、メイアクト、クラビット、クラリスなどの薬は髄膜炎にどのような効果があるのでしょうか?
発見が遅れると最悪の場合死亡するケースもある怖い病気、髄膜炎の原因や症状などについて詳しくまとめました。
髄膜炎の原因と主な症状とは?
髄膜は硬膜・クモ膜・軟膜の3つの層に分けられます。
髄膜炎はそのうちのクモ膜と軟膜、クモ膜と軟膜に囲まれるクモ膜下腔で炎症が起きる疾患です。
髄膜炎は原因によって次のようなものがあります。
- 細菌性髄膜炎
- 真菌性髄膜炎
- 結核性髄膜炎
- 無菌性髄膜炎(ウイルスが原因)
- 感染症以外の病気が原因の髄膜炎
髄膜炎になると発熱、激しい頭痛、吐き気などの自覚症状があります。
首を左右に素早く振ったり首を回すと頭痛が悪化することをジョルトサインと言います。
また、仰向けに寝て頭を持ち上げると抵抗を感じる項部硬直という他覚症状があるのも特徴です。
発熱・項部硬直・意識障害は髄膜炎の3つの特徴と言われており、
この3つの症状がある場合は髄膜炎が疑われます。
頭痛が止まらなくて緊急外来で
病院行ったら髄膜炎で
うそでしょ(笑)になってる。
一人暮らしで過酷すぎんか?— 右耳👂 (@k8n8u8s8n8c8m8b) 2017年10月23日
風邪じゃなかった。髄膜炎だった。頭痛すぎ〜w
— ❄ぐれいしあ❄/羽純 (@gureishia__) 2017年11月1日
子供がかかりやすい髄膜炎に細菌性髄膜炎があり、
症状の特徴は突然の高熱や嘔吐、食欲不振、けいれんなどです。
風邪の症状とよく似ているため髄膜炎と診断される頃には
かなりの進行が見られるケースもあり、後遺症も心配されるので注意が必要です。
髄膜炎の検査や治療法は?
髄膜炎の疑いがあるときは、髄液検査が実施されます。
髄膜炎を疑って行うのは、髄液検査という検査です。
髄液検査は背中から専用の針を刺し圧力を測り、脳や脊髄と髄膜の間にある髄液を採ってきます。
そして、その髄液内の細胞の数、蛋白質や糖分の量などを調べます。
髄膜炎と診断されると、原因となったウイルスや細菌に合わせて抗生物質(抗菌薬)の投与を開始します。
フロモックスやメイアクトは肺炎球菌に効果があるセフェム系抗生物質です。
インフルエンザで処方されることが多いクラリス、クラビットなど
抗生物質にはさまざまな種類がありますが、原因菌に合わせたものを使わないと効果はありません。
治療は主に薬剤を中心にして行われますが、ガンが原因の髄膜炎では放射線治療も行われます。
髄膜炎の疑いがあるときは、神経内科や内科を受診します。
風邪だと思い市販薬を用いる人もいるようですが、
診断が遅れると命にかかわることもあるので早めの受診が肝心です。
適切な処置を受けるためにも、髄膜炎を疑ったら専門家のいる病院を選びましょう。
髄膜炎についてはこちらの記事もご参考に!
早期発見、早期治療の開始が大事
髄膜炎の症状は発熱や吐き気、頭痛など風邪の症状と似ているため、
診断が遅れて悪化してしまうことが多々あります。
髄膜炎は早期発見、早期治療の開始が大事です。
自分の状況を説明できない乳幼児の場合、親が注意していても髄膜炎と判断するのは至難の業。
発熱・嘔吐に加えぐったりして動かなかったり、
激しく泣いて泣き止まないときなどは早めに病院へ連れて行きましょう。
細菌性髄膜炎は進行が早く治療が困難な上、子供がかかると後遺症が残る心配も。
原因のほとんどはインフルエンザb型:Hib(ヒブ)や肺炎球菌と言われており、
ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。
髄膜炎そのものが人にうつることはありませんが、
原因となる菌が体内に侵入すると発症する恐れがあります。
予防には手洗いやうがい、マスクの着用が有効です。
抵抗力をつけるために生活リズムを整え、栄養バランスの良い食事を心がけることも予防になります。
発熱や激しい頭痛がある状態で会社に行ったり、
子供を保育園や学校に行かせる親はいないと思いますが、判断は医師に任せましょう。
まとめ
- 髄膜炎になると発熱や激しい頭痛、嘔吐などの症状が表れる
- 髄液検査で髄膜炎と診断されたのち、原因菌に合わせた抗生物質の投与を開始する
- 発見が遅れると最悪の場合、死亡するケースもあるので、早めに病院を受診
髄膜炎の原因や症状についてまとめましたが参考になりましたか?
髄膜炎は発熱や激しい頭痛、嘔吐などの症状がある疾患です。
風邪の症状と似ているため自己判断で市販薬を飲んだり病院へ行くのが遅れると、
進行し重症化する恐れがあります。
最悪の場合死亡するケースもあるため、早期発見、早期治療の開始が大事です。
症状や経過を観察し異常を感じたら専門家のいる内科や神経外科を受診しましょう。